社会福祉法人 熊本市手をつなぐ育成会   

  
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 熊本市手をつなぐ育成会は、68年の長期にわたり、障がいのある子どもやその親、家族の幸せと安心を願って活動を続けてきた知的障がい児・者の親の会です。






  
       

手をつなぐ育成会法人本部及び各事業所の事業計画 
  
    ※本部以外の各事業所については、基本方針のみを本文に記載。その他は、各事業所ごとにpdfで掲載。


令和6年度 事業行計画

 Ⅰ 法人本部 

【基本方針】
 昨年5月に新型コロナウィルス感染症が、感染症予防法における「5類相当」へ変更されたことで、育成会関係の研修会や各大会も対面方式で開催されることが多くなってきている。
 だが、私たちの生活も完全に元どおりになったというわけではなく、さまざまな場所に足を運ぶというのが億劫になってきたとか、なくても大丈夫!という声も多く聞かれる。
 運動体においては、昨年度後半から少しずつ集まる機会も増えたが、時代や社会の変化も踏まえ、昨年度、委員会活動を見直す「育成会活性化委員会」を招集し、議論を重ねた。
 その結果、広報委員会、研修委員会はそれぞれ「活動」に変え、会員同士の座談会である「先輩教えて‼」「ちょっと聞いてよ!」は、学校部、成人部と子どもの年齢や所属で分けずに、会員誰もが参加できるおしゃべりの場として「育成会ほっとピア」に統一。知的障害者相談員のメンバーが行っていた啓発キャラバン隊「くまくま隊」は、興味のある会員にも入ってもらい、活動に力を入れていくことにした。
 つなごう会にも新しい仲間、支援者を募り、本人だけでなく保護者も共に楽しめる場面も設けていきたい。
 今後は、新体制での各種研修会や話し合いの場を増やし、親同士で集まり、それぞれの悩みやつらさを共有するだけでなく、時代や社会の変化に合わせつつ、前に向かって進んで行く力を育んでもらえればと思っている。
 事業体においては、令和5年度も、コロナ禍の影響は続いており、利用者の減少等によりしょうぶの里を除き、どの事業所も赤字となっている。他事業所の赤字補填のため、しょうぶの里では、各事業所への繰り入れを続けなければならない状況が続いている。各事業所の運営について、再度見直しを行い、国の報酬改定の基準の見直しなどを検討し加算がとれるよう努力するとともに、利用者の方が、毎日通いたいと思える事業所のあり方を職員と共に考えていきたい。
 また、かねてより、法人内事業所の所長等について、内部人材の登用による世代交代と若返りを検討してきた。リーダーとなる内部人材がある程度の年齢に達し、経験や判断力等も徐々に身につけてきている。令和6年度は、数年先の事業を見据え組織の活性化を図るため、人事にも徐々に着手していきたいと考えている。

【重点課題】
1 中長期プランを基にした実現に向けた取り組み 
 (1) SNSを活用した育成会活動発信の拡大(再検討)
 (2) 次世代を担う職員の育成のための研修や人事交流の実施(継続)
 (3) 日中サービス支援型グループホームの研究、検討(継続)
 (4)障がい児やその家族を支える事業の検討(継続)

2 育成会活動の課題と活性化に向けた具体的方策の実行
(1) 集合式研修とオンライン研修を合体させた研修(継続)
 ① 学齢期世代の親御さん向け
  ・「先輩教えて‼」「ちょっと聞いてよ!」を合体させた「育成会ほっとピア」で学校卒業後の将来の見える話し合いを会員同士で行う座談会の実施(新規)
  ・TwitterやFacebook、LINEなどのSNSを使った個別相談会の実施(継続)
 ② 高齢親子向け
   ・昨年度に引き続き、親亡き後を親あるうちに考えるための研修会の開催
 ③ 本人向け
   ・本人活動『つなごう会』の実施と本人の活躍の場の拡大の検討(継続)
 ④ 会員のための福利厚生としての育成会の保険の情報提供
(2) 家族や本人を支えるための活動の充実(継続)
 ・会員対応を迅速に行うためのネットワークの整備
 ・育成会活動の協力者となる人材の発掘
 ・行政、教育機関との意見交換会を通じて信頼強化、要望実現に向けた取り組み 

3 育成会活動の理解拡大・情報発信(継続)
 ・知的障がいを知ってもらうための疑似体験ワークショップの開催
 ・全国育成会機関誌「手つなぐ」の会員への購読推進と活用の取り組み 
 ・市育成会広報紙「くまもと手をつなぐ」の発刊(3回)、各種情報の提供
 ・ホームページやSNSを活用した情報発信と充実
 
4 利用者を支える事業所職員を支える
 ・職員全体研修会(年1回)と4年度よりスタートさせた「階層別研修」の充実
 ・法人内・外の事業所間での職員の体験人事交流等の実施
 ・人事異動の実施


※ 
法人本部 令和6年度事業計画(pdf)



 Ⅱ 障がい者入所支援 「しょうぶの里」(入所支援、生活介護、短期入所)
1 運営の基本理念・方針
 しょうぶの里は、熊本市手をつなぐ育成会が、平成13年に設立した障害者支援施設で、現在は、施設入所支援、生活介護、短期入所、日中一時支援A型事業等の福祉サービスを提供するほか、3か所のグループホーム、生活困難者レスキュー事業など、障がいのある人の地域生活の支援拠点としての機能を有する。

(1)基本理念
 ① 「親の思いに応える」
  ・会員の熱い思いと永年の努力で実現。会員や関係者の期待や信頼に応える。
 ② 「主役は利用者さん」
  ・本人さんの意思や人権・人格を尊重、豊かで幸せな生活が送られるよう、誠実で丁寧、温かみのある質の高い支援を行う。
 ③ 「互いを思いやり支え合う家族のような関係」
  ・家族より長い時間を一緒に過ごす利用者さんと職員は、家族のような関係でありたい。
 ④ 「アート活動に重点」
  ・開設以来の取組。利用者さん一人一人のやりたいこと、好きなことから生まれたアートを大切にする。
(作品展入選、アールブリュット作家として活躍)
  ・アート活動を通して培われた利用者さんとの柔らかな関係を大切にする。

(3)今年度の取組の方
[昨今の経営状況及び「中長期計画・ビジョン」の実現に向けて
①3年半に及ぶ新型コロナウィルス感染拡大により、短期入所・日中一時支援等を停止する期間が長くなり、収益が大幅に減少している。法人内の他の事業所も同様に、コロナ禍の影響での利用減等により軒並み収益が悪化して、法人全体では大幅な赤字決算が続き、収益改善が急務となっている。
 しょうぶの里においても、今後必要となる施設の大規模改修やエアコン等の設備の更新に向けて、短期入所・日中一時支援等の利用増やグループホームの入居者増、経費節減等により収益の改善を目指す。
②現在、しょうぶの里には、定員の1.9倍の57人の待機者がいる。入所施設の新設・増員ができない中、我が子を安心して預けられる場として入所に代わるグループホーム(日中サービス支援型グループホーム)開設へのニーズは高く、令和3年3月に取りまとめた「中長期計画・ビジョン」でも、日中サービス支援型グループホームの5年以内の開設を明記している。
だが、コロナ禍での利用者減等での法人事業所全体での大幅な赤字の解消が急務であり、当面は健全な黒字経営への復帰を最優先させる必要がある。

[今年度の取組の方針]
①昨年度した第三者評価の結果を、事業所の運営や利用者さんへの具体的な支援等に反映させ、コンプライアンスや時代感覚に基づいた運営と支援の質の向上、充実に努める。
②3年半に及ぶコロナ禍が落ち着く中、感染防止対策をとりつつ日常生活を取り戻し、外に出る活動や体を動かす活動、地域行事等を多く取り入れる。

[新型コロナウィルス感染症への対応の総括と今後の展望]
①しょうぶの里では、これまでのところ入院中に罹患した1人を除き入所の利用者さんたちの罹患はないものの、日常生活では大幅な制約を受け外泊や外出もままならず半ば施設内に隔離されたような時期が続いた。元々変化が少なく制約が多い入所の生活が、コロナ禍で更に制約を受けた3年半だった。
②制約が多く変化の少ない生活は、心の動きの減少や生活での意欲の減少にもつながっていく。さらに、コロナ禍での生活になじんで、だんだんと活動的でなくなることもある。これらによる利用者さんの運動量の減少により、この4年間で体力は確実に低下したように思われる。
③新型コロナウィルス感染症もおおむね落ち着いた今、“ワクワクする”生活や活動をできるだけ多く取り入れるようにしたい。昨年度は自由の旅を復活させたが、外に出る活動をもっと多くしたい。
④コロナ禍で途絶えた地域との交流では、しょうぶの里まつりやお月見会などで地域の方や関係者にお出でいただけるようにしたい。


しょうぶの里 令和6年度事業計画(pdf)


 Ⅲ 就労継続支援B型事業 「第二ぎんなん作業所」
1 運営の基本方針
 知的に障がいのある人たちの地域における「働く場、生きがいづくりの場」として、熊本市手をつなぐ育成会が昭和59年に設立した第二ぎんなん作業所は、苦労の多い無認可の時代を経て、平成15年から小規模通所授産施設となり、その後、平成19年から就労継続支援B型事業所の指定を受け現在に至っている。
 当作業所は、「地域で安心して暮らす」という願いを踏まえ、事業所等への就労が困難な知的に障がいのある人に生産活動やその他の活動を提供し、日常生活や社会生活の自立と社会参加の拡大を図ることを目的とする。
 その際、利用者の人権・人格を尊重するとともに、本人・保護者のニーズや実態に即した、より丁寧な利用者本位の運営・支援、福祉サービスの提供をめざす。



第二ぎんなん作業所 令和6年度事業計画(pdf)


 Ⅳ グループホーム 「ぎんなん」「千金甲」「あいりす」
1 運営の基本方針
 ・入居者が共同して自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう、食事の提供、相談、その他必要な日常生活上の援助を行う。
 ・入居者の意思及び人格を尊重して温かい人間関係を醸成し、楽しく共同生活が送られるよう支援を行う。
 ・入居者の実態や生活の状況に応じて、ホーム内で勉強会等を実施する。
 ・日常的な支援の担い手である世話人さんとのコミュニケーションを深める。


※しょうぶの里 令和6年度事業計画(pdf)



 Ⅴ 障害児通所支援事業所 子ども育ちの家「て・い・く」
 運営の基本方針
(1)利用者本人の最善の利益を保障する。
   子どもたち一人ひとりのニーズを把握し具体的な支援を確立する。
(2)地域社会への参加を推進する。
   啓発活動に取組み一体的支援の確立をめざす。
(3)家族支援の充実を図る。
   子育てについて連携しペアレント・トレーニングを推進する。
(4)集団及び社会性の充実に努める。
   コミュニケーション力を高めソーシャルスキルを身につける。

 子ども育ちの家「て・い・く」は令和5年9月に6年目の更新を申請した。この6年を振りかえると平成3年4月には利用者のニーズに応えるため定員を2倍の20人に増やした。併せて児童発達支援事業所を城山下代に移転させ、療育を充実させるために環境づくりに取組んだ。令和4年4月には地域活動支援事業、日中一時支援(A型)事業を申請し、その事業所を確保するために事務所を空き地に移動した。
 令和2年3月から新型コロナウイルス感染症が拡大し長期間の臨時休業や学年、学級閉鎖等が昨年まで続いてきたが、「て・い・く」においては着実に利用者増に繋がる取組を進めてきた。
 他方、事業運営においては、投資と収益のバランスに偏りが生じたためより給付額の多い祝日及び土曜日の利用者確保に取組んできたが、十分な収益増までには至っていない。理由として、一つには令和3年度の報酬改定における対応が不十分だったこと。二つ目に利用者増に伴う業務の効率化を優先し法令順守の視点が曖昧になったことが挙げられる。この2点を今年度の基本方針に位置づけ、熊本市手をつなぐ育成会の理念をしっかりと継承し魅力あるサービスの提供に努める。
□令和6年4月からの報酬改定に伴い、運営規程等を見直し収益増に繋げる。
□障害児通所事業所として児童発達支援及び放課後等デイサービス・日中一時支援
(A型)事業の定員枠確保に取り組む。



子ども育ちの家 「て・い・く」 令和6年度事業計画


 Ⅵ 育成会相談支援センター「手と手」
1 運営の基本方針
 本事業所は、令和5年1月より、名称を育成会相談支援センター「手と手」に改めた。今まで以上に、人と人とが手をつなぎ安心と幸福をめざし、愛される相談支援事業所にしたいと考えている。
 その育成会の相談支援事業所として、以下を方針とする。
 ①障がいのある本人の意思や人格を尊重するとともに、常に本人、保護者・ご家族に寄り添い、安心して地域生活が営めることを第一に相談支援を行う。
 ②丁寧で誠実、温かみのある相談支援に努める。
 ③本人、保護者・家族の希望や選択に基づき、教育、福祉、就労、保健、医療、療育等のサービスを総合的に効率よく提供することをめざす。
 ④育成会のネットワークをフルに活用し、教育、福祉、就労、保健、医療、療育等の関係機関と密接な連携を取って支援を行う。
 ⑤継続的な相談支援により、障がいのある人の自立と社会参加促進を図る。



育成会相談支援センター「手と手」 令和6年度事業計画
                                         

 
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《育成会事業所へのリンク》
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