《令和5年度 第三者評価結果(概略)》
※概要版は、こちらまで
○委評価機関名 特定非営利活動法人 あすなろ福祉サービス評価機構
○受審期間 令和4年1月~令和5年7月
(※新型コロナウィルス感染拡大により、途中、中断があったため期間が拡大)
《評価結果総評》
◆特に評価の高い点
1.全国組織をもつ親の会である法人では、“主役は利用者さん”という理念のもと、知的障がい者への福祉支援を広く周知するため、ホームページで充実した情報公開を行い、中長期計画・ビジョン(以下「中長期計画」)に基づいて働きやすい、働きがいのある職場環境づくりに積極的に取り組まれています。
〇ホームページで理念や基本方針、中長期計画をはじめ、法人や法人が運営する各施設の事業計画・事業報告、活動状況、広報誌等充実した内容を載せており、法人や各施設の姿が理解できるようになっています。
また毎月発行している広報誌には、施設長が運営方針やその時々の重点事項を記し、施設の様子が良く分かり、運営の透明性が十分確保されています。
〇働きやすい、働きがいのある職場環境づくりのため、中長期計画に基づいて、休暇制度の拡充や資格手当の創設、夜勤手当の大幅増額など積極的な取組が行われており、職員の自己評価でも「制度が年々改善されており、年休なども取りやすい環境で助かっている」との声があがっています。
2.事業計画に“地域との交流に誠実に努力し、開かれた施設をめざし、利用者さんも積極的に参加する”と明記し、地域との交流に意欲的に取り組まれています。
コロナ禍前は、地域が主催する行事(歩け歩け大会、グランドゴルフ大会及び運動会等)に利用者も参加し、また地元小学校とも、施設が力を入れているアート活動を活かして、児童と入所者が一緒に絵を描いたり、学校祭では入所者の絵を展示するなど利用者と地域との交流を広げる取組が盛んに行われていました。
コロナ終息後の地域との交流再開が待たれるところです。
3.広報誌「おれんじの屋根」から施設の姿勢が窺え、家族等への情報発信の役割を果たしています。
広報誌「おれんじの屋根」は当施設の建物を包む、明るいおれんじ色の屋根に由来しています。利用者の節目の祝事を皆で祝い、季節の行事や何気ない日常を楽しむ様子を写真とともに伝える他、給食室や医務室からの行事メニューや感染症対策などを紹介し、発行を手掛ける施設長の言葉が載せられています。長年利用者の送迎や外出に活躍した車両の引退を利用者とともに見送ったことなど、心温まる内容に施設の姿勢が窺えます。コロナ禍の折、広報誌による情報発信は家族等の安心するところとなっています。
4.力を入れているアート活動は、利用者の充実した日々につながっています。
利用者の生活がより豊かになることを目指して、アート活動に積極的に取り組んでいます。職員は一人ひとりの自由な表現力を傍で支え、絵画や造形など好きなことを通じて生まれた“形”を一つの作品として大切に捉え支援しています。
利用者の作品はこれまでに市や県、全国規模の芸術展に多数出品され、数々の賞を受賞しています。毎日の作品作りが利用者の生活の張りとなり、充実した日々につながっています。
◆改善を求められる点
1.理念・基本方針、ケア規範となる10の誓いの実現につながるよう、各種マニュアルや文書の整備が期待されます。
〇 入所者のプライバシー保護等については、職員間で周知を図り、一人部屋の希望や相性なども考慮して部屋替えが行われています。また成年後見制度も積極的に利用されています。
今後は、プライバシー保護についての留意点等を記載したマニュアルを整備し、入所者や家族にも周知されることを期待します。
〇 安心・安全な福祉サービスの提供を目的として、事故が発生した場合の対応や安全確保、再発防止に向けた対応策など手順を明記したマニュアルの作成が急務と思われます。また、コロナ感染症については令和4年にマニュアルが作成され職員への周知が図られていますが、他の感染症(ノロウィルス、インフルエンザなど)についてもマニュルは作成されていますが、作成から年月を経ており改定日の日付などの記載がなく今後の改題と思われます。
〇 実習生等の専門職の研修・育成は、コロナ禍前は毎年、大学生や専門学校生の実習を受け入れていました。
しかし、受け入れの基本姿勢の明確化やマニュアルの整備等がなされていません。コロナ終息後の実習生等の受け入れ再開に向けて、これらの体制整備が待たれます。
2.継続した自己評価、第三者評価への取組が期待されます。
これまでの施設の取組を振り返る機会として、今回初めて第三者評価を受審されました。
障がいをもつ親の会が作った法人である事、親や家族に代わり、利用者を大切に支援することなど、開設以来変わらぬその姿勢を施設の優れている点にあげ、今回の評価受審が振り返る機会となったことが聞き取りや職員アンケートに記されていました。
しかしコロナ禍が続く中でもあり職員の第三者評価への理解やゆっくり自己評価に取り組む時間も限られ、職員の自己評価によくわからないと項目ごとに記した職員も多かったようです。
今回の評価結果を全職員で共有し、今後に生かされることを期待します。
また、評価基準を参考にしながら年1回の自己評価への取組が期待されます。
《R1年3/14 運営委員会、苦情解決第三者委員会、虐待防止委員会報告(概略)》
※新型コロナウィルス感染拡大の影響による感染防止対策により、R2~4年度は開催していません。
委員会では、委員の方や家族会会長様、育成会会長・副会長様から、貴重なご意見、ご助言をたくさんいただきました。
職員全員で共有し、質の高い支援、運営に活かしたいと思います。
○運営委員会
・入所と通所が一緒の活動はよいと思う。あとは、グループホームの人をどう支えるか。グループホームの人も参加できるような取組もあるとよいが。
・自由の旅は大変いい行事、ぜひ続けてもらいたい。
○苦情解決第三者委員会
・手袋やマスクを付けなければならないときもある。最初に、ことわっておけばよい。
・相手を否定するようなことばかけをしない。言うときは、例えば、回数を少なくしたいことでは、「10回を8回にしましょうか。」といったことばかけをするとか。
・苦情は、ある意味、チャンスでもある。その機会を通して、学園のこと、取組のことを理解していただける。
・利用者への理解が大切。つい「早く」と言ってしまうことがある。
・日頃からの人権感覚が大切。それが関わりや虐待防止につながる。
・「成功ノート」 成功した、うまくいった事例を記録しておく。
・職員をほめることが大切。 ※しょうぶの里ではどうであろうか?と反省。
○虐待防止委員会
・前に入っていた施設で激しい虐待を受けた。ここは、関わりがとても優しい。
・この人たちのお世話は本当に大変だなと思う。感謝の気持ちでいっぱい。
・何かあっても、お世話をしてくれる人を責めるのではなく、親を責めるのでもなく、本人を責めるのではないということが大切。
・子どものことを分かりたいときは、目を見るようにしている。こちらを真正面から見てくれるときとそうでないときがある。
・利用者の行動には必ず原因がある。その原因が何かを考えれば、方法が見えてくる。
・子どもをどう理解するか。「のん気・根気・元気」という言葉があるが、それに加えて、「本気」が必要だと思っている。
・虐待防止に向けては、職場の雰囲気づくりが大切。ささいなことを大切にしていく。
・気持ちのゆとりを持つ、気持ちを楽しく持つことが大切。気持ちのゆとりがなくなったときは、その場を離れる、他の人がゆとりがなさそうに見えたときは、そっと声かけをする。チームワークが大切。
・虐待防止センターの電話番号を見えるところに記載を。
・働き方改革が言われている。残業時間を減す工夫が大切。
・職場の家族化を。職員は正職員にしてほしい。一緒に生活をしていただきたい。それが、虐待の防止につながる。職員は、家族の一員であって、ただの作業員ではない。
社会福祉法人 熊本市手をつなぐ育成会
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